「蒲生氏郷」(藤田達生著、ミネルヴァ書房刊)を読みました。

 「蒲生氏郷」(藤田達生著、ミネルヴァ書房刊)を読みました。
 図書館で借りてきました。新刊書のコーナーに、「蒲生氏郷」とあり、著者が「藤田達生」となれば、借りないわけにはいきません・・・。
 著者は、1958年愛媛県生まれ。神戸大学大学院修了。三重大学教授。


 著者の本は数冊読みました。主として中世から近世にかけての海運関係などが、専門なのでしょうが、今回は、何故か「蒲生氏郷」・・・三重県には関係のある人物ではありますが、これまでの専門分野とは少し違う・・・とは思ったのですが、やはり、読まないと・・・。
 本書は、蒲生氏郷の先祖のことから始まり、室町末期の日野周辺、蒲生一族のこと、織田信長との関係、豊臣秀吉との関係、蒲生氏郷の軍団、松ケ島(松坂)移封、九州派兵、関東・東北派兵、会津移封、東北制圧などなど・・・で、最後は、関連人物と、蒲生家の末路で締められていました。
 なかなかな力作でありますが、いわゆる人物をめぐる歴史書と、歴史学者としての研究発表との間で揺れ動いているような本でもあったように思います。 前者の内容で代表的はのは「(蒲生氏郷死後の)蒲生騒動」とか「(蒲生氏郷をめぐる)人間山脈」であり、後者の内容で代表的なのは「惣無事令はなかった」や「九戸政実の(乱ではなく)決起」ということなのでしょう。
 前者の場合は、まま「すごい人物だったんだ」で「若死にしなければ、次の天下人だった」的な本になってしまいますし、後者の場合は、一般受けはしない・・・というところもあり、苦労されたのかもしれません。そして、前者の記述には、研究者として納得のいっていない部分もあったのではないかと・・・少し感じました・・・違うかもしれませんが・・・。

 個人的には、蒲生氏郷の築いたとされる城の絵図などが多かったこと、軍団の構成などが資料として明白に記載されていたりしたので、なかなか、勉強になりました・・・その一方で、どうも根拠のはっきりしない記述も一部・・・例えば、七尾城主前田利政の石工が会津若松城の築城に・・・あるようにも思いますが、それは些細なことでしょう。
 そして、蒲生秀行の宇都宮18万石から会津60万石への移封が「娘婿だったから」で片付かれてしまったのも、残念なところです。


 でも、読んで良かったなと思います。
 そして、やはり、蒲生氏郷は、天下を狙えた(狙った)人」というよりは「天下を支えた人」だったのだと、感じました。




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