「豊臣大坂城 秀吉の築城・秀頼の平和・家康の攻略」(笠谷和比古・黒田慶一著 新潮選書)を読みました。

 「豊臣大坂城 秀吉の築城・秀頼の平和・家康の攻略」(笠谷和比古・黒田慶一著 新潮選書)を読みました。
 図書館で借りてきました。こんな本もタマには読まないと・・・
 笠谷和比古氏は、1949年神戸生、京都大学大学院修了、国際文化研究センター教授を経て、定塚山大学教授。黒田慶一氏は、1955年神戸、神戸大学大学院修了、大阪文化剤研究所学芸員を経て、城郭研究家。


 本書は、いわゆる「大坂城」を年代とともにおいつつ、その築城の経過、豊臣政権のありよう、徳川家康政権の関与、滅亡を著述しています。主な通史的な部分は笠谷氏、最近の発掘をベースにした豊臣大坂城のありようを黒田氏という形で分担していました。笠谷氏の執筆部分は、いわゆる通史であり、自らの主張としての「豊臣政権と徳川政権の二重性」を中心にしています。黒田氏の執筆部分は、発掘の成果を交えて、当時の大坂城を解き明かそうとしていました。
 笠谷氏の、通史部分については、通説のおざなり的な部分も少なくなく・・・著者が本当に訴えたいだろう「豊臣政権と徳川政権の二重性」にしても、すでにいくつかの本で読んでいる私にとっては、さほどの新鮮味はありませんでした。
 黒田氏の、発掘部分については、最新の報告も交わっているので、考古学的な興味のある方には興味深いのかもしれません。しかし、どうしても、発掘の紹介的な部分が強く、また断片的なものになりがちなこともあり、正直なところ、わかりにくかったところです。
 加えて、両者の表現には微妙な食い違いもあり・・・特に人名・・・、そのあたりは、一冊の本としては、いかがなものかとも思わなくもありませんでした。特に笠谷氏の部分では・・・で、真田信繁として紹介しつつも、最後は幸村となったりで・・・どうもな感じはいがめませんでした。その他、徳川四天王のこととか、外様と家臣大名の扱いとかも、同じような感じがいがめませんでした。

 そんな中、最近話題になっている「エッゲンベルク屏風」と「大阪夏の陣屏風」などの部分は、なかなかな力作だったように思えます。

 あまり肯定的な評価ではありませんが、豊臣大坂城のことを、最新の発掘調査を交えて、(笠谷氏には不満かもしれませんが)通説に沿って知るには、いい本ではあるかもしれません。


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