駅蕎麦旅情は遠くなりにけり・・・。

 駅蕎麦旅情は遠くなりにけり・・・。
 駅のホームに駅蕎麦があった時代がある・・・と書くのも憂鬱だが、そうなってきた。
 そこそこの駅には、だいたい駅蕎麦があっただろう。ホームにある小さな店舗に、簡単に温めた蕎麦とうどんを出すお店だ。上に載せるのは生卵、てんぷら、にしん、山菜などなど・・・。別売りで、おにぎり、とかもあった。列車に乗るまでの時間や、乗換の時間などに、さらさらっといただくのが、なかなかな楽しみだった。何かの事情で長時間停車の場合には、その時間で食したことがある人もいるのではないか・・・私もある。

 さほど、うまいものではない・・・失礼ながら。しかし、それはそれで、茹でたての蕎麦やうどんは、なかなか、オツなものだった。特に冬場や、早朝は・・・。

 そんな時代もあったわけだが・・・今も駅蕎麦はあるけれど、ホームからは追い出されているようだ。改札の中にあれば、まだいい方で、多くは、改札の外に追い出され、店舗の一つになってしまっている。そして、無くなったところも少なくない。
 詳しい経緯はわからないけれど、鉄道開通にあたり、一定のお店に出店権利を与えたのが始まりではないか・・・。駅弁もそうだが、駅蕎麦も・・・だろう。しかし、国鉄がJRになり、駅が巨大な店舗となり、改札以降にはお店を入れないという方針でもあるのか・・・今は、残っていても改札の外だ。ちなみに、駅弁も、ホーム売りは、ほとんどなくなっている・・・あっても、店は外にあって売口だけ中・・・ってところも少なくないのではないか。

 私が今住んでいる金沢の金沢駅も激変した。
 20年くらい前に朝一番の特急で大阪に出張する時がしばしばあったのだが、その時は、特急が発車するホームに駅蕎麦があった・・・白山そば。噂では、金沢駅のところで牧場をやっていた人が、土地を売る代わりに権利を得たとかで、汁は牛乳の・・・だという。そんなにうまいもんでもなかったが、出発までの数分で、何度か食べた。おばちゃんが茹でて出してくれることが多かったが、早朝なんかは、高齢のおっちゃんが出していたこともある・・・もしかすると、社長とかいうレベルの人だったのかもしれない。
 しかし、そのお店は、いつの間にか、改札から高架ホームに上がる途中の通路の部分に移ってしまった。ホームに空き店が残っていた時もあったが、行っても空のまま・・・がっくりして、通路に戻って食べたこともある。空き店舗は、やがて自販機に囲まれてしまい・・・な状況になってしまった。
 これでホームでの立ち食いではなくなった。通路の部分の店舗の中には、食べる場所ができたが・・・もちろん、列車を見ながら食することはできなくなった。この頃には、改札の外にも出店していた・・・と記憶している。
 そして、新幹線開通に向けての駅改造で・・・改札内のお店はなくなり、店舗街の一角に残る店のみとなっている。

 記憶では富山のホームにも駅蕎麦があったが、先日行ったら、やっぱり、改札の外に出てしまっていた・・・立山そば。
 半世紀前、よく利用していた山手線・恵比寿駅にもあった記憶がある。すでにホームになかったのだが、改札の中にあって・・・2.3度食べたこともある。でも、先日行ったら、なくなっていた・・・たぶん。


 駅のホームや改札の中では、鉄道利用者しか食べられないわけで、外に出た方が売り上げはいいのだろうな・・・とは思う。鉄道会社側からすれば、治安維持上もホームはもちろん、改札の中には人がいないほうがいいのだろうな・・・とも思う。駅蕎麦だけでなく、駅弁販売も改札の外に出てしまい、残るは鉄道会社が運営を委託しているKIOSKくらいになったが、それも、ホームからは追放されつつあるような感じもする。
 車内販売もなくなり・・・な現実も含めて、いわゆる鉄道は「単なる移動手段」となりつつあるのが現実だ。豪華車両で旅を楽しむのも旅行だが、そうではない楽しみがあったのに・・・と思えるのが駅蕎麦だったのに・・・だ。


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