「テロリストの心理戦術」(香山リカ著 ベスト新書)を読みました。

 「テロリストの心理戦術」(香山リカ著 ベスト新書)を読みました。
 図書館で借りてきました・・・リカちゃんの本ですからね・・・でも、最近は、何読んだのか、わかんなくなってしまっていますけど・・・まあ、それも愛嬌ということで。でも、これは明らかに久しぶりの新作・・・ではないか。
 著者は1960年北海道生。東京医科大学卒、本書の刊行(2015.05.20-)段階では、立教大学教授で、精神科医・・・私も受診してみたいぞ・・・。


2015年の発行ですが、本書では、イスラム国と呼ばれる組織を相手に「天下御免の向う傷」を持つ香山リカが、大上段にその戦術を心理学や精神病で大分析! バッタバッタと切り倒していました。
 本書は、後藤という名のジャーナリスト殺害を契機に書かれたようですが、多くのメディア同様、なぜか湯川という名の人物はさほどのこともなく・・・でも、そのことが、リカちゃんの診察室でも大問題になったとかで、さらには福島第一のことで熱中する時期のあった患者の話題から、祖父の亡霊にとりつかれた男、自らをサイババと呼んだ男、クソスケと呼ばれた男の末路まで、とりあげつつ・・・という感じで展開しています。
 プロローグでは、物語の喪失というテーマでIS問題を、第一章では、心の隙間と本当の自分という問題を、第二章では、残忍さという観点で、第三章では、憎悪という社会正義を、第四章では、住民心理と言いつつ、古くはないが、新しくもなく、閉鎖する社会の盲点をつき、第五章ではネット交渉についての政府への批判を高め、第六章では、自分は例外の日本の思考停止を訴え、第七章は、9.11後のテロリストの抑うつを予測し、第八章では、そんな連中も脱出してきていて、PTSDになっちゃうよと指摘し、その治療は大変なんだよと指摘し、エピローグでは、それは現代社会の写し鏡で、多重人格とインターネットの親和性とかを論じて、あとがき では、本書がテロの時代を乗り切るヒントになってほしいと結ぶという・・・

 力作です!

 ISだけでなく、世界のすべての問題が、心理学というか精神病の変遷で読み解けるのですよ・・・。
 きっと、世界の著名国の有力者たちが翻訳させて、IS殲滅を目的に読みふけったこと・・・かもしれません。


 でも、こんな風になんでも心理分析というか精神分析の視点で答えを出そうとするのは、無理あんじゃね・・・と思ったのも正直なところですねぇ。なぜ、あんなに残酷になれるのかって・・・人は残酷なもんですよ。子供がそうでしょ・・・自分の欲望や正義を通すためには、何でもするんです・・・他の命を奪うことでもね。奪われる側も、そうなんですよ・・・命を奪われることを覚悟しているはずですからね・・・。
 なぁ~~んて、思っちゃいましたけどね。

 香山リカさんには、ぜひ、いわゆる15年戦争をしていた時代の大日本帝国の面々を同じ手法で分析してほしいですね・・・きっと、同じような答えがでるような気がします。でも、精神病は変化したんじゃなくて、前から同じ事象を、専門家が名前を変えているだけだってことに、気が付くんじゃないかと思いますから・・・。


 残念な一冊でしたね・・・でも、まだまだ、リカちゃんの本からは目が離せませんよ・・・。


(160416-追記)
 第4章に「ある精神科病院の思い出」という章がありました。リカちゃんには「精神科医ミツルの妄想気分」という小説があるわけですが・・・やっぱり、私小説だったのですねぇ・・・ということは、額面通りに受け取れば、不倫したいたんか、この当時のリカちゃんは! ということになっちゃうわけですが・・・。
 まあ、医者の世界なんて、そんなもんかもしれませんね。セレブですもの。

 でもね・・・閉鎖された社会の中で、それを信じて生きてけるってのは、かなり幸せなんですよ・・・たぶん。何も考えないでいいわけですから。そして、生物の大部分は、そうやっているわけで・・・考えているのは例外に近いんだろうとも思いますよ・・・。

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